Fuji & essay
富士とエッセイ

富士と対峙し10年、撮影現場に立つ者として
胸に去来する想いを綴り続けた。
エッセイなどとは言えぬ稚拙な小文であるが
足跡を暫し振り返る。

2013年6月22日  岳 丸山

 

Fuji & essay
富士とエッセイ

 

Fuji & essay
富士とエッセイ

富士と対峙し10年、撮影現場に立つ者として
胸に去来する想いを綴り続けた。
エッセイなどとは言えぬ稚拙な小文であるが
足跡を暫し振り返る。

2013年6月22日  岳 丸山

丸山の東雲

朝霧を過ぎ本栖湖に入りいつものように湖畔で空模様を窺う、雲が厚い、目的地まではまだ一時間以上走る。
30分ほど時間をつぶしハンドルを握った。撮影ポイントに到着、誰もいないことに肩透かしをくう。
間もなく富士らしいシルエットが薄明の厚く黒い雲の筋間に浮かぶ、
その光景がただならぬものである事をその時は知る由もなかった。
この朝、人知の及ばぬ大自然の未知の光景を目の当たりにすることになる。
手が震えフィルムがうまく交換できない、1分が永遠に思えた。
その光景の前に私はもはや粒子の濃淡と化し、宇宙の一元的広がりの中に溶け込んで行くようであった。

丸山の東雲

朝霧を過ぎ本栖湖に入りいつものように湖畔で空模様を窺う、雲が厚い、目的地まではまだ一時間以上走る。
30分ほど時間をつぶしハンドルを握った。撮影ポイントに到着、誰もいないことに肩透かしをくう。
間もなく富士らしいシルエットが薄明の厚く黒い雲の筋間に浮かぶ、
その光景がただならぬものである事をその時は知る由もなかった。
この朝、人知の及ばぬ大自然の未知の光景を目の当たりにすることになる。
手が震えフィルムがうまく交換できない、1分が永遠に思えた。
その光景の前に私はもはや粒子の濃淡と化し、宇宙の一元的広がりの中に溶け込んで行くようであった。

丸山の東雲

朝霧を過ぎ本栖湖に入りいつものように湖畔で空模様を窺う、雲が厚い、目的地まではまだ一時間以上走る。
30分ほど時間をつぶしハンドルを握った。撮影ポイントに到着、誰もいないことに肩透かしをくう。
間もなく富士らしいシルエットが薄明の厚く黒い雲の筋間に浮かぶ、
その光景がただならぬものである事をその時は知る由もなかった。
この朝、人知の及ばぬ大自然の未知の光景を目の当たりにすることになる。
手が震えフィルムがうまく交換できない、1分が永遠に思えた。
その光景の前に私はもはや粒子の濃淡と化し、宇宙の一元的広がりの中に溶け込んで行くようであった。

Lake of Moonlight

凍る湖に立つ。
氷のきしむ音が、不気味に闇に響く。
湖畔の灯りが眩しく光り、鋭く瞳を射す。
霊峰の懐に抱かれ、静かに眠る「さやけき月影の湖」

Lake of Moonlight

凍る湖に立つ。
氷のきしむ音が、不気味に闇に響く。
湖畔の灯りが眩しく光り、鋭く瞳を射す。
霊峰の懐に抱かれ、静かに眠る「さやけき月影の湖」

Lake of Moonlight

凍る湖に立つ。
氷のきしむ音が、不気味に闇に響く。
湖畔の灯りが眩しく光り、鋭く瞳を射す。
霊峰の懐に抱かれ、静かに眠る「さやけき月影の湖」

真夜中の雲海

11月の下旬、山中湖から発生した霧は忍野の村を埋め尽くす。霧雨が走る車のウィンドーを濡らす。
小高い丘に登るとそこは銀色に輝く雲海の世界。真夜中の星空の下、里の明かりが淡く透過しその正体が姿を現す。
不気味な静寂の中、微かに霧粒の流れる音が闇に響く。

真夜中の雲海

11月の下旬、山中湖から発生した霧は忍野の村を埋め尽くす。霧雨が走る車のウィンドーを濡らす。
小高い丘に登るとそこは銀色に輝く雲海の世界。真夜中の星空の下、里の明かりが淡く透過しその正体が姿を現す。
不気味な静寂の中、微かに霧粒の流れる音が闇に響く。

真夜中の雲海

11月の下旬、山中湖から発生した霧は忍野の村を埋め尽くす。霧雨が走る車のウィンドーを濡らす。
小高い丘に登るとそこは銀色に輝く雲海の世界。真夜中の星空の下、里の明かりが淡く透過しその正体が姿を現す。
不気味な静寂の中、微かに霧粒の流れる音が闇に響く。

夏野の光

8月の下旬、山伏岳は朝焼けのピークを迎える。夜半から登山するカメラマンは多数に及び年一度の賑わいとなる。
原始の森を彷彿とさせる立ち枯れの木々、南アルプス南麓の高山に夜明けが訪れる。
雲間から射し込む陽光は鋭く風景を一瞬に切り裂き富士の稜線を映し出す。
けっして楽とは言えぬ峠からの登山、まだ見ぬ未知の光景が人々を駆り立てる。

夏野の光

8月の下旬、山伏岳は朝焼けのピークを迎える。夜半から登山するカメラマンは多数に及び年一度の賑わいとなる。
原始の森を彷彿とさせる立ち枯れの木々、南アルプス南麓の高山に夜明けが訪れる。
雲間から射し込む陽光は鋭く風景を一瞬に切り裂き富士の稜線を映し出す。
けっして楽とは言えぬ峠からの登山、まだ見ぬ未知の光景が人々を駆り立てる。

夏野の光

8月の下旬、山伏岳は朝焼けのピークを迎える。夜半から登山するカメラマンは多数に及び年一度の賑わいとなる。
原始の森を彷彿とさせる立ち枯れの木々、南アルプス南麓の高山に夜明けが訪れる。
雲間から射し込む陽光は鋭く風景を一瞬に切り裂き富士の稜線を映し出す。
けっして楽とは言えぬ峠からの登山、まだ見ぬ未知の光景が人々を駆り立てる。

寒林の夜明け

大寒を過ぎて降る大雪、荒れ模様が夜半に静まり明けて快晴の夜明けを迎えたその朝、黄金に輝く富士が姿を現す。
1億五千万Kmの彼方より届く陽光は凛とした厳冬の空気を鋭く貫き、山頂の雪を紅から黄金に染める。
積雪の中苦行のごとき深夜の山行、自分がここに居ることを幾度も自問自答する。
その思いもいつしか夜明けと共に溶け始め、「また来よう」と心で呟く。

寒林の夜明け

大寒を過ぎて降る大雪、荒れ模様が夜半に静まり明けて快晴の夜明けを迎えたその朝、黄金に輝く富士が姿を現す。
1億五千万Kmの彼方より届く陽光は凛とした厳冬の空気を鋭く貫き、山頂の雪を紅から黄金に染める。
積雪の中苦行のごとき深夜の山行、自分がここに居ることを幾度も自問自答する。
その思いもいつしか夜明けと共に溶け始め、「また来よう」と心で呟く。

寒林の夜明け

大寒を過ぎて降る大雪、荒れ模様が夜半に静まり明けて快晴の夜明けを迎えたその朝、黄金に輝く富士が姿を現す。
1億五千万Kmの彼方より届く陽光は凛とした厳冬の空気を鋭く貫き、山頂の雪を紅から黄金に染める。
積雪の中苦行のごとき深夜の山行、自分がここに居ることを幾度も自問自答する。
その思いもいつしか夜明けと共に溶け始め、「また来よう」と心で呟く。

紅咲岩

紅富士と怒涛逆巻く冬の海岸。社の鳥居の笠木に名も知れぬ鳥の影。
これから厳冬期を迎える雲見の海岸でこんな心象風景に出会った。
防波堤から荒れ狂う波の飛沫と強風に手こずりながら押したシャッター、
現像が仕上がり恐る恐る覗くルーペの奥で激しく飛び交う怒涛の飛沫の感触が皮膚に甦る。

紅咲岩

紅富士と怒涛逆巻く冬の海岸。社の鳥居の笠木に名も知れぬ鳥の影。
これから厳冬期を迎える雲見の海岸でこんな心象風景に出会った。
防波堤から荒れ狂う波の飛沫と強風に手こずりながら押したシャッター、
現像が仕上がり恐る恐る覗くルーペの奥で激しく飛び交う怒涛の飛沫の感触が皮膚に甦る。

紅咲岩

紅富士と怒涛逆巻く冬の海岸。社の鳥居の笠木に名も知れぬ鳥の影。
これから厳冬期を迎える雲見の海岸でこんな心象風景に出会った。
防波堤から荒れ狂う波の飛沫と強風に手こずりながら押したシャッター、
現像が仕上がり恐る恐る覗くルーペの奥で激しく飛び交う怒涛の飛沫の感触が皮膚に甦る。

蒼の瞬

黎明時の天空の蒼の彩、宇宙の広がりを身近に体感できる瞬間である。

薄いベールに包まれた瑠璃色の星に、やがて夜明けを告げる陽光が降り注ぐ

蒼の瞬

黎明時の天空の蒼の彩、宇宙の広がりを身近に体感できる瞬間である。

薄いベールに包まれた瑠璃色の星に、やがて夜明けを告げる陽光が降り注ぐ

蒼の瞬

黎明時の天空の蒼の彩、宇宙の広がりを身近に体感できる瞬間である。

薄いベールに包まれた瑠璃色の星に、やがて夜明けを告げる陽光が降り注ぐ

冬暮色

内浦湾に浮かぶ淡島、沼津の街灯り、背後には愛鷹山、そして全てを包むかのように佇む富士。
冬枯れの丘にほのかに潮風が香る。
病に倒れ、末期の目で見た世界、そして思いもよらぬ生還。
この光景を目前に私は再び潮風に包まれ、命の時を刻む。

冬暮色

内浦湾に浮かぶ淡島、沼津の街灯り、背後には愛鷹山、そして全てを包むかのように佇む富士。
冬枯れの丘にほのかに潮風が香る。
病に倒れ、末期の目で見た世界、そして思いもよらぬ生還。
この光景を目前に私は再び潮風に包まれ、命の時を刻む。

冬暮色

内浦湾に浮かぶ淡島、沼津の街灯り、背後には愛鷹山、そして全てを包むかのように佇む富士。
冬枯れの丘にほのかに潮風が香る。
病に倒れ、末期の目で見た世界、そして思いもよらぬ生還。
この光景を目前に私は再び潮風に包まれ、命の時を刻む。

夜明けのディヴェルティメント

「誰がこの池を作ったのだろうか」素朴な疑問が脳裏に浮かぶ。その貯水池は牧場の片隅にある。
メタセコイアに囲まれて美しい富士のシルエットを映しだす。ほのかな香りを漂わせ、そよ風が木々と牧舎を渡る。
水辺の漣、草原の朝露、その背後に広がる富士のなだらかな裾野。
「作者はこの光景を想像できただろうか」予期せぬ美しさに包まれて、新たな朝を迎える喜び。
夜明けのディヴェルティメント(嬉遊曲)の優しい和音が耳に響く。

夜明けのディヴェルティメント

「誰がこの池を作ったのだろうか」素朴な疑問が脳裏に浮かぶ。その貯水池は牧場の片隅にある。
メタセコイアに囲まれて美しい富士のシルエットを映しだす。ほのかな香りを漂わせ、そよ風が木々と牧舎を渡る。
水辺の漣、草原の朝露、その背後に広がる富士のなだらかな裾野。
「作者はこの光景を想像できただろうか」予期せぬ美しさに包まれて、新たな朝を迎える喜び。
夜明けのディヴェルティメント(嬉遊曲)の優しい和音が耳に響く。

夜明けのディヴェルティメント

「誰がこの池を作ったのだろうか」素朴な疑問が脳裏に浮かぶ。その貯水池は牧場の片隅にある。
メタセコイアに囲まれて美しい富士のシルエットを映しだす。ほのかな香りを漂わせ、そよ風が木々と牧舎を渡る。
水辺の漣、草原の朝露、その背後に広がる富士のなだらかな裾野。
「作者はこの光景を想像できただろうか」予期せぬ美しさに包まれて、新たな朝を迎える喜び。
夜明けのディヴェルティメント(嬉遊曲)の優しい和音が耳に響く。

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