コラム

ハッセルブラッド

HASSELBLADとの出会い

3~4年前、ある富士山写真展でのこと、ベテランカメラマンの撮影した夜景の写真に出会った。その透徹な描写の素晴らしさに驚き、早速同じポイントでの撮影にチャレンジした。
写真の仕上がりを見て「何故同じに撮れないのか」答えは直ぐに察しがついた。
 
「レンズが違うんだ!」
 
学生時代からZEISSレンズの魅力に惹かれCONTAXを数台所有していた。
「やはりZEISSでなければダメか」その時からレンズ探しが始まった。
古き良き時代のオーディオ製品と同様に、開発当初の製品が完成度が一番高いことが得てして多い、カメラもしかりである。
「目前で演奏される弦の微妙なかすれ音を揺らぐ空気の振動として伝える。人の感性に響く映像のエッセンスを忠実にフィルムに焼きつける」そんな魂の複雑なトランスレート(伝達)が人の心を打つ、心に染み渡る。試しにインターネットで中古商品を恐る々注文した、Aランクと評されたCFE80mmが手元に届いた。手にとってその美しさに感動した。
「有難う!」
と発注したお店に言いたいくらい素晴らしい商品が届いたのである。
それから今日まで8本のレンズが涅槃の富士の撮影行の伴侶となった。夜間撮影の際、レンズの設計や特性また表現力が最も明確になると私は思う。淡い月明かりの元、荒波に削られた岩肌を克明に表現するその透徹な描写力には唯々脱帽するのみである。ダイヤモンド富士の光条の切れは他のいかなるレンズよりも魅力的に輝く。新雪の身を切るような冷たさとたおやかさや、朝日が雪原を照らし始めた時の木陰と雪間の相反するコントラスト差を、豊かな階調でなんなくこなす描写力にも驚かされる。C80mm/F2.8(白鏡胴)の持つ描写力は、人肌の温もりやその場に漂う空気や香り、撮る人の思い、そして時代までをも凝縮して映し込むかのようである。
そんな本物のギア(道具)がいつまでも存在し続けることを切に願う。

hasselblad
hasselblad
hasselbladのレンズ

【HASSELBLADの風景】

月影の千貫門
落日
六花の道
情念降臨
月夜の御浜裏
夕陽
いかり草
寒露
朱の風
風雲の郷
【写真をクリックすると拡大されます】
vol.1 <諦める瞬間・・・地獄の入り口>