海道の岬
海道の岬
  • 松崎の南海岸、雲見浜の牛着岩、富士の前景としてその美しさは有名である。千貫門で月夜に撮影をした際、月明かりが岩肌に染み入り鮮やかに岩の造形美が描写されることに驚いた。その後私の興味は岩肌により近づくことのできる雲見浜の夜間撮影に移っていった。狙うは厳冬期の満月の夜、牛着岩を月明かりが照らし始めてから南中までの1時間が勝負である。海も夜半まで適度に荒れ、その後凪ていくその時がチャンスだ。静かな凪夜は波頭の軌跡が白く写らず臨場感に欠けてしまう。この夜、私の予想に反し風は強く波の飛沫を吹き上げている。構図の頼りは夜目に映る富士の雪だけ、眼鏡が塩で曇りファインダーの中の雪が微かにしか見えない、感だけが頼りの荒れる月夜の海岸であった。
海道の岬
 
 
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