- 正月の二日、高坐山で夜明けを迎え本栖湖へ車を走らせる。氷点下10度以上の冷え込みは湖上に朝靄を発生させるはずだ。
- 昨夜からの積雪が溶岩流の岩盤を埋め尽くし足元の様子が分からない。幾度も雪に足をとられながら、
- やっとの思いで撮影ポイントに辿り着く。
- この時期、日の出は富士の北稜線に近づき山を背後から輝かせる。
- そしてその陽光は、年間を通じて本栖湖を最も神々しい光景に染め上げる。
- 狙いは朝日に煌めく湖面と漂う朝靄。
- シャッタースピードを固定し、露出をワンショットずつ手動で開く。冴え返る静寂の中、乾いたシャッターの音が湖畔にこだまする。