西伊豆の小さな集落、夜明け前、機材を背負い浜辺まで生い茂る雑木の間の細く長い坂道を下る。 海鳥が人の気配に驚いてにわかに飛び立つ。不気味な羽音が闇をつんざく。 イメージした写真が撮れず幾度この海岸に足を運んだことだろうか。 波の写真は難しい。切り取るシャッタースピードでまるで異なる世界が現れる。 波の高さ、富士の積雪、夜明けの空色、潮の干満、風の強さや方向、全てが揃った上で切り取るスピードは撮影者に委ねられる。 厳寒の伊豆の海、冴え返る波しぶき、繰り返す怒濤のうねり、一期一会のたまゆらである。 写真をクリックすると拡大します。 前のページ へ Gallery へ 次のページ へ